東南アジア取材(平成6年1994年)その2
マレーシアでの出来事を一つ。ケランタン州コタバルという所へ行ったときのこと。そこでは通訳を別に頼んでいて、現地にその通訳が来たんですが、どうも様子が変。なんか話が通じない。よくよく話してみると、そのマレー人(男)こんなことを言ったもんです。
「わたし、ニホンゴ、よくワカリマセン・・・」
おいおい・・・お前は何をしに来たんだ?・・通訳じゃないんか・・・?まあ、頼んでしまったので、もう後には引けない。インタビューの人も来てるし、とにかく取材は進めて、とりあえずその通訳に訳してもらう・・・。インタビューの人は結構長く話しているのに、その通訳はほんの一言二言・・・。(涙)あげくの果てはその後、インタビューの人を交えてレストランで昼食会をしたんですが、なぜか、その通訳さん、女房・子供を引連れて来まして、ちゃっかり一緒にごちそうになってました。こちらはもう腹の立つのもバカバカしくなってしまったものです。
ケランタン州というのは9割くらいの住民が敬虔なイスラム教徒なんです。ですから昼と言わず、夜と言わず、定期的にコーランの祈りの声が街中に響き渡るんです。
「あ??・・*#$&%'&65?'&#"=)#`??・・アッラー・・」
これが夜中にも響くので、寝ていてもなんだか怖くなって起きてしまいました。で、ガイドの人が「警告」してくれたんです。「この州は国の刑法より"ハンムラビ法典"が優先されています。(目には目を、歯には歯を、っていうものですね。)泥棒は捕まると手首をちょん切られます。皆さん、くれぐれも泥棒はしないで下さい。」
「するか!」っていうか、すごいですね。世界の中には必ずしも日本の常識というか、物差しでは計れない事情のある国があるんですね。その国の歴史とか伝統とか文化を抜きにして、自分の国の尺度でもの事を判断してはいけないのだろうと思いました。