ビデオ撮影の基本(1)映像表現編
▼その1 「5W1H」(1)
よく文章表現の基本として「5W1H」・・・Who(誰が)・Why(なぜ)・What(なにを)・Where(どこで)・When(いつ)・How(どのように)という要素があります。映像表現も同じなのです。どんな映像作品にもこの要素が必ず何らかの形で表現されています。ビデオ撮影の場合にも、この内のWho(誰が)・What(なにを)・Where(どこで)・When(いつ)は撮影して表現することが望ましいですね。
▼その2 「5W1H」(2)
まず、Who(誰が)は撮影しようとしている主人公の被写体(人物など)。これは当然でしょう。What(なにを)は撮影するその人物などの行動。Where(どこで)は撮影したその場所。When(いつ)は撮影した日時や季節など。
これらは何らかの表現で撮影した方が、後で見たときにわかりやすい映像になります。逆に例えばWhere(どこで)の画がないと、後々見たときに、DVDなどに何も書いていなければ、このビデオはどこで撮影したのか?ということにもなりかねません。同じことはWhen(いつ)でも言えます。「このビデオ、いつ撮ったのかしら?」という話はよく聞きます。
▼その3 「5W1H」(3)
Where(どこで)の表現ですが、撮影に同行した人であれば、後で「ここは○○公園だった。」とわかるでしょうが、その他の友人の人などが見たときにも、「ああ、ここは新宿の○○公園ね。」「○○山の近くの湖だね。」とすぐにわかるような撮影表現があった方がよいでしょう。例えば「○○公園」の看板とか、新宿であれば高層ビルとか、遠くの山などの風景、最寄りの駅、道路の行先表示など、その場所をある程度、特定できるような何かを撮影しておくことが大切です。
▼その4 「5W1H」(4)
When(いつ)の表現ですが、日時を特定する映像表現は難しいでしょうね。でも、普通「何時何分」なんていうことまでは表現する必要はありませんので、影しているのが、季節はいつごろなのか、朝なのか、昼なのか、夕方なのか、くらいは表現しておいた方がよいでしょう。
季節感のある花とか木々の緑とか、夏であれば「風鈴」などの風物とか、冬であればクリスマスツリーとか・・・また朝であれば、日がまだ高く登らない雰囲気、店のシャッターを開けているところ、出勤する人々の雑踏など。昼間であれば、日が高く登っている明るい風景、人々が動き回っている活動的な雰囲気など。夕方であれば、夕景、学校帰りの子供たち、豆腐屋さんのラッパ(最近ないですね)など。
▼その5 「5W1H」(5)
昔、私がビデオカメラマン修行時代にビデオ撮影の「師匠」でもあったディレクターから言われた言葉をご紹介します。「耳の聞こえないおばあさんが見てもわかるような映像表現、撮影をしなければダメだ。」含蓄のある言葉だと今でも心に刻んでいます。
映像作品にナレーションなどの解説が必要なのは当然ですが、それに頼ってしまってはいけないんです。ビデオ撮影の基本として「5W1H」をご紹介しましたが、それらをできるだけ映像として撮影、表現してこそ、それを補う意味でのナレーションが生きて、誰が見てもわかりやすい、そして心を打つ映像作品ができるのです。